Small Garden Studio & Kenichiro Kozono

Small Garden Studioは小園兼一郎の

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2018年

3月

16日

セルフライナーノーツ「out of music」M-3,4 おまけ(音楽制作の経緯)

M-03 [湖畔]

5分弱の曲ですがそこそこ展開があり自分でも結構気に入っています。
この曲の冒頭部分は1stアルバムのM-6「間奏2」をモチーフにしています。
元々は一つの曲であった「間奏2」でしたがこの時は曲を分解して、その一部だけ
を1stアルバムではインターバルとして挿入しました。
この湖畔の制作時に最初はこの「間奏2」は付いていなかったのですが歌詞を考え
ている時に詩として完成度を上げるには何かメロディを付け足した方が良いかもと
思って考えてみたものの、良いメロディが浮かばず、この「間奏2」を付け足そう
というアイデアだけが浮かびました。

自分の中では一応は1stアルバムからの流れを汲む事が出来るし、リスナーの誰か
しら気がついてくれたら嬉しいなという思いもあって転用は腑に落ちています。
(プロデューサー、ライターでもあられるウチタカヒデさんにレビューを頂いた
時はすぐさまにこの部分の指摘をいただきましたので秘かに感嘆しておりました。)

楽曲のテイストは1stアルバムの「木漏れ陽」にも似ていながらも僕自身が歌う事
を前提に作っていましたので詩のイメージは若干男性寄りに感じられるかもしれま
せん。後半、メインボーカルがromihiさんに変わる所は東北新幹線やLampのイメージがあったのだと思います、デュエットのようでデュエットではないという

感じを出したくてメインボーカルの切り替えを入れてみました。
そしてこの楽曲ではピアノ以外は演奏していないのですが結構リアルなソフトウェア音源のお陰で、曲が出来上がった後は楽器の音色が打ち込みなのか否かという部分にあまり耳がいかないのでその部分に関しては取りあえずの及第点かと思っております。

実はこの曲はこのアルバムの中では一番短い時間で完成した記憶があります。凝る
ことが出来たらもっと追求も可能だとは思いますが僕の場合は放っておくと永遠と
曲が終わらなかったり、組曲の様になってしまうのでそれこそ一曲作るのにで半年
~1年とかかかるかもしれません。(これはこれでやってみたいと思っているので
すが。)

追記
この曲を経て自分の歌声のスタイルが結構見えてきた気がして今までの楽曲もキー
を自分用に変えて歌える様に練習しています。もしかしたら弾き語りでライブなど
出来たらと思っていますのでみなさまにご連絡出来るよう頑張りたいと思います。



M-04 [H.S.P.]

滑稽な男(女)を主軸に、文字通り転げ落ちていくような愚かさの中に愛を求める
姿を描いてみました。僕は人間とはいつどんな時でも愛を求めているようなところがあって、それは怒りや憎しみで心が一杯の時でも止む事の無い「渇望」なんだなと達観している所があるのでそれを歌にしてみたいと思ってこの曲が出来ました。
(僕はこの曲を「斜陽」と同じ位置づけにしていて「滑稽シリーズ」と勝手に読ん
でいます。(笑))

H.S.P.というのは「ハイリー•センシティブ•パーソン」の略で感覚処理感受性が非常に高い人達の事を指す用語のようで、簡単に言うと外部の情報を普通の人よりも過敏に、過剰に感じ取ってしまう人達ということのようです。また僕自身が普通とされる人達よりもH.S.P.寄りであるようで、色んな問診をしてみましたがそれは明らかでした。
この楽曲の詩から想像するにはこの歌の中の人に一体何が起きているのか想像する
のが難しいのですが実際にはたいした事は起きていないという体になってはいます。というのは、何か出来事があったというよりも本や雑誌、ニュースなどから間接的に受ける情報に過度に反応しているという状態が主にあるのだと推測しているからです。(少なからず肉体的な変化も伴い出来事は起きてはいる。)

自分で書いておきながらこのように客観的な判断をしているのは僕の感受性が過敏
な事を考慮して、また普通(一般的)には外部の情報が僕のような人間から見ると
もっと簡潔に処理されている事を踏まえてなるべくわかりやすい言葉を詩に選んだので内容のイメージは伝わるのではないかと思っています。
なんだか難しい説明の様になってしまいましたが肝心の詩そのものについての言及は控えます。(これは各人が各々に捉えて頂いた方が面白いし、そのそれぞれがそれぞれ正解でもあったりする側面があるので)
楽曲はドナルドフェイゲンをイメージしていますが改めて聴くとドラムとベースの
単調さが似てるとは思うのですが他は似ていないかなとも思います。

 

ライナーノーツは以上です。


――
そして予告させていただいた通り「歌曲作品集[小園]」のコンセプト、制作経緯について書きたいと思います。書き出すと思ったよりも自身で整理できていない事の多さに気づき、その整理の意味も含めて数回にわけ語らせてもらおうと思います…。

当時、4~5年前ですが一念発起して「自分の名前を掲げて残せる音楽を作りたい」という思いでスモールガーデンの曲作りを始めました。やはり受け仕事の音楽制作ではやりたいことは殆ど出来ないので自分の音楽を主体にした作品を作りたいとは20代の頃からずっと考えていたことではありました。とはいえさしたる才能も無いし、没頭してきた事といえばサックスでビバップフレーズをひたすら練習する事とベースでマーカスミラーとジャコパストリアスのコピーをやってきただけであるので、いざ楽曲を構築するという過程になるとそれは仕事の上ではゲームなどの作品に添える、登場人物や場面を引き立てる為にその時々で出来る限りのネタを出していくしかないわけでして、だがしかしそれは自ずと慣れを生み出して「この時はこう」「そういう時はあれでこう」といった具合にある種のパターンに陥ることになり、それは仕事をスムースに行う上では便利ではあるのだが少しずつ、徐々にその創造性が失われていき、気がつくと同じ様な楽曲ばかりになってきてしまう「悪循環」になるのが通例であったのです。これはある意味では仕事がうまくいっているともいえる状態でもあるのですが仕事一辺倒の人生を送りたいわけでは決して無い!?という生来からの気概を持っているようである僕としては自発的に音楽活動を行わなければならない必要性にかられて作品作りに励む形になりました。

大きなきっかけはやはり敬愛する冨田恵一さんの「冨田ラボ」の音楽です。
限界まで緊迫するメロディでありながらも普遍性を失わせずにその伝統的、また先進的なハーモニーと緻密な打楽器構成などで大衆ポップスに溢れんばかりの多彩な音楽性を詰め込んだ楽曲は2000年前後を境にポップスを一段も二段も芸術的なものへ押し上げた感があります。そんな冨田ラボサウンドに初めて出会ったのはもう20年近く前ですがかの有名なmisiaのeverythingです。当時はジャズ浸りだったのであまりポップスを知らなかったのですがテレビドラマのヒットもあって曲はよく耳にしていました。そのその後に音楽制作の仕事に就くと、様々なジャンルの音楽を聴いて勉強していくなかでポップスの普遍性を知ることになりました。それはジャズで言うところの2-5だったりバロック調でのミサ曲のsus4からの解決のように飽きを通り越した不変の伝統があるのですが、そんな伝統を冨田さんのアレンジでは生かしつつも明らかにわかる転調やテンション、ノンダイアトニックコードの多様によって新風を吹き込んでいました。
それまでにも80年代からは奇を衒う進行の曲がポップスでも増えてきていましたがそれらはとても実験的であり、またシンセサイザーやコンピューターのシーケンス機能を用いたとても機械的で、本当に機械が作ったようなサウンドのものでしたが冨田ラボの曲はそのような楽曲とは一線を画しており、伝統とモダンがとても良い塩梅で人の手によって暖かい音として音楽の中に息づいていました。この塩梅という加減にはもちろん好みの要素が多分にありますが冨田さんの楽曲が好きな要因の一つにジャズ寄りのハーモニーの多さがあることは間違いありません。
一方で冨田ラボの楽曲は多岐にわたり、トラディショナル寄りなアレンジと先鋭的なものや偏ったものも多いが総じて詩と音楽が乖離的な所を僕は感じている。それは聴き手に投げかけられていてあくまで聴き手が判断すれば良いという旨の事をご本人がイベントなどで語られていました。この一般大衆に迎合していない姿勢を持ってしてその音楽を投げかけ、かつその投げかけたものを受け取る聴き手が定数存在する音楽家は現代社会において稀であると思う。それは社会的枠組みに当てはめれば音楽家というよりは芸術家という域の仕業であると感じられるし、そこに自身の信念を持って対峙している姿には卑小で全てに出不精な性質を持ち合わせる僕の様な人間にとても凛とした素晴らしい人間に写っていたのはいうまでもありません。僕としてそれは音楽家としての視点、音楽を通してその人間のどのような部
分であってもその一部を垣間見た時にそれは音楽と結びついてある種の感動が生まれるきっかけになります。たくさんの音楽家や音楽と出会ってきましたが冨田さんのそれはとても鮮烈な感動を呼び、また今の今まで続いているほどの強く純粋な衝撃でさえあります。
その衝撃とはいうまでもなく「音楽を作る」ということ、ただそれだけに直向きな精神を感じさせるものでありました。

続く。

2017年

12月

27日

セルフライナーノーツ「out of music」M-1,2

スモールガーデン2ndリリース
ミニアルバム「out of music」
セルフライナーノーツ

アルバムタイトルである「out of music」に込めた意味合い、out of~とは
~の外側、流行でないなどの意味があり、つまり音楽の外側というのはこの
アルバムの楽曲は音楽でありながら音楽ではないものを表現したかったので
す。同時に流行り廃りに関係の無い普遍的感動や日常性を表したくてこの
「out of music」というタイトルを付けました。
しかし元々音楽とはその音の羅列によって「何か」を表現しているものが
圧倒的に多く、純粋にその響きや技術を批判する純音楽でさえもその様式美を
表してさえいます。僕はどちらかといえば後者に趣をおいていますが、それで
も今作の様にポピュラーテイストな割合を増やすとそれは「何か」を表現して
いくことに繋がり、ひいてはそれこそがポップス(大衆性)たる所以なのかも
しれません。

このミニアルバムは元々は今年の7月に行ったライブの為に作ったもので、正
式にはセカンドアルバムというよりもファーストのスピンオフのような意味
合いをも込めています。
ボーカルのyukkyさんにライブ出演を想定した時に既存の楽曲ではどれも彼女
に合うものが無かったので、3月頃だったと思いますがライブ出演を承諾して
頂くと同時に楽曲制作もお約束して制作に取りかかりました。

実は密かにジャケットが2パターンあるという設定にしたのですがyukkyさん
メインの1~2曲目に合わせた夜景を見下ろす画のものと、3曲目の柔らかな曲
に合わせたお花畑の画のものです。
全国的には後者のジャケットで流通していますが先にも紹介させて頂いたディス
クブルーベリーさんや手売りでは前者のジャケットでも販売しております。
(ちなみに4曲目のイメージはありません。)

CDが完成したのがライブの3~4日前で、もうてんてこ舞いでした。
4~6月に4曲制作+既存曲も合わせた全パートの譜面制作。それにジャケット
のデザインから歌詞カード、プレス、流通手配なども全部自分でやっているの
で、これには僕もかなり参りまして実際ライブの当日も疲れと緊張のせいで
リハーサルの時から間に合って良かったという安堵の思いと共に涙が止まりま
せんでした。ライブ中にもほろりとしてしまいましたがもう恥ずかしいとか
そういうのはなくて、良くも悪くも周りを見ない性格が出てしまったのだと
思います。
引き続き拙い文章ではございますがセルフライナーの方を書き綴らせて
頂きます。


――――
M-01 [蓮花]

上記にもありますがこの曲と2曲目の「流る星」はyukkyさんに向けて作った
ものです。1作目から続くスモールガーデンのイメージとyukkyさんのそれは
かなり違う所があるのでお互いが歩み寄って出来た共作だと言えると思います。
yukkyさんの声は明るく中高域が通るので、その声質に詩の静粛な感じをぶつ
けて中和してみようと思って作り始めた覚えがあります。

楽曲の雰囲気は16ビートでシックなハーモニーを奏でていますが特に元ネタ
とかは無いです。かろうじて僕の好きなpagesの[I Get It From You]の2コー
ラス目の雰囲気にも若干近いかなという感じで他の要素は冨田恵一さんワーク
スの影響が強いかなと自分では思っています。
音楽的な話ですがこの曲では音の4度重ねを多用していまして、そこに壮言さ
や幻想さなどが出せたかなと思います。気になった方はユーチューブなどで
4度和音の実演動画のハーモニーを聴いてみてください。面白いと思います。

歌詞の内容については個々で楽しんで頂ければ良いかなと思っています。
僕としてはタイトルの蓮花と曲の後半に出てくる「輪廻」という言葉を盛り
込む事によって仏教のテイストを出せたらと思って書きました。サビの「夢
見るあなたを」というのは1stアルバムの「靄(もや)」にも出てくる言い回し
なのですが、全ての事象はほんの一時の夢や幻であって現実そのものでは無い
という原始仏教の教えをこの一言に込めたつもりでおります。綺麗なものが
綺麗なのは自身の都合で心にその様に描いているのであって実際はそうでは
無いという事なのです。(僕は原始仏教信者なので言い切ってしまいますが。)

これは音楽の話ではありませんが僕は静か動かでいうと間違いなく「静」です。
動が嫌いな訳ではないですが周囲から無意味に掻き立てられる前進や成長、
競争や射幸心の煽りなどには心が締めつけられる様な息苦しさを感じる事が
あります。自分にとって必要以上の「動」は全く必要ではないと思っている
ので逆に動が嫌いだという負の感情が溢れすぎない様に適度に情報は遮断して
います。
知らず知らずのうちにマスコミュニケーションによる大きな流れに取り込まれ
ないように自分の意識を大切にする尊さを失ってしまっている人の多さに「憂い」
を感じるのですが、想いというものは美しくも儚いものではないかと、そのよ
うな情景を歌にしてみました。


――
M-02 [流る星]

これは空を飛んでいるようなイメージで作った曲です。
7月のレコ発ライブに合わせた事もあって夏の雰囲気も入れてみたつもりです。
出過ぎず、弾け過ぎず、飛び過ぎないソフトな感じに出来たかなと思いますが
いかがでしょうか。
本来、というと語弊がありますがこの曲はスモールガーデンの作品というより
はyukkyさんとスモールガーデンではない小園自身の合作という見方の方が
しっくりくる側面を僕も感じています。(リスナーより同じような意味合いの
事を言及されましたので)
そのような楽曲をスモールガーデンのアルバムに入れるなと言われそうですが、
これまた僕の中ではスモールガーデンとして背伸びをしたシティポップAORと
いう意味合いも込めての作品でもあり、これはこれで良いとは思っています。
もっとyukkyさんに合わせた方がキャッチーな楽曲になったかもしれないので
すがそれではコラボレーションにはならないので、その均衡の為に自分色も
程々に出したのが[蓮花][流る星]だと思います。

楽曲のAメロの雰囲気は曲名は忘れてしまいましたがed mottaの曲のリズムの
印象があったと思います。その後は流れに任せて作りました。
歌詞では1番終わりの「流る星」の部分だけ最後まで決まらずにいました。
「流れ星」だとなんか普通だなと思ってしまったので「流る(ながるる)」と
いう言い回しを「ながる」に変えてスモールガーデンらしさを出してみました。
(スモールガーデンらしさとは日本独特の言い回し、大和言葉や言語文化を音楽
の中に取り入れるというような感じの事です。)

空を飛ぶといえば数年前に一度、スカイダイビングを経験したのですが思って
いたよりもとても楽しかったのでいつか免許をとって単独ジャンプをやってみた
いと密かに想いを馳せています。


というわけでお読み頂きましてどうもありがとうございます。
次回は3~4曲目のライナーノーツ、「歌曲作品集[小園]」のコンセプト、制作
経緯について書きたいと思います。

2017年

12月

09日

セルフライナーノーツ「歌曲作品集[小園]」M-7,M-8

M-7 [斜陽]
この曲はこのアルバムの中でも最後に作りました。
本当は野沢菜(山本ひかり)さんに歌ってもらおうと思っていたので
すがタイミングが合わず、紆余曲折を経て自分で歌うしかない状態に
なり、結果歌ったといういきさつがあります。発売から約一年、今と
なっては自分でも耳慣れた感じになっていますが制作時は何かと大変
だった事を思い出します。

この曲はアルバムの中で最後に作ったという事もあって他の曲には無い
要素を入れたかったのですが、それは何かというと単純なコード進行。
結果的にそうなっていない部分もちょっとだけあるのですが大まかには
耳馴染みの良いサウンドになっていると思います。もちろん独自性をそ
ぐ事の無い様に気をつけました。いわゆる「対比」というやつなのです
が、他の曲ではめまぐるしく変わる和音に対してメロディーの動きは控
えめに、逆にハーモニーの動きが弱い時はメロディーに動きを与えると
いった感じです。この曲の場合はどちらかというと後者寄りになります。
これもデモをアップしてみましたので良かったら聴いてみてください。

https://soundcloud.com/smallgardenstudio-1/shayoh_demo

聴いて頂けるとわかるのですが(聴かないとわかりません…すいません。)、
自分で歌うとは決めたもののサビの掛け合い部分は女性パートとして
意識して作っておきました。またデモバージョンの歌入れはハナモゲラの
ものは残って無く、歌詞が決まるのも結構早かったのだなと思います。
そしてこの単純なドラム。これは言わずもがな?ドナルドフェイゲンの
アルバムに多いあの雰囲気を意識しています。トラックは全体的にシンプ
ルですがあらかじめアレンジで肉付けする事を意識していたのでコードの
ベタ打ちで作っておきました。なんともデモっぽい音源です。

Fix版ではサビ前のブレイクに入っている野沢菜さんの咳払いが何とも
印象的です。あれは編集中に何か面白い事が出来ないかなと思って残し
ておいたのですが上手く収まって!?良かったと思っています。
この曲は楽器のソロもアルバムの中では一番多く、また特徴的です。
ピアノからギターからサックスまで出来る限りのソロを盛り込みました。
サックスは歌が終わった後なのでなかなか印象に残りづらい所ですが
結構頑張って吹いたので良かったら聴いてみてください。

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M-8 [Fill Up Your Life]
この曲はこのアルバムの中で一番古い時期に作ったものです。
元々は知り合いの自主制作コンピレーションに曲が足りないという話を
付き合いのあったこの曲の作詞も行っているveronica(以下ベロニカ)
さんからされまして、時間もあったので作ってみようと思って出来上が
ったものです。

バラードになったのには理由があります。それはちょうどこの話を聞いて
すぐにベロニカさんの母が亡くなりました。彼女との長い付き合いの中で
あまり知らない面々を知る事になったその出来事は僕の中で大きくなり、
彼女のお母さんへの鎮魂歌となりました。気持ちとしては亡くなったお母
さんへというよりはベロニカさんへの慰めや情緒的な印象をもってして
曲を作っていたと思います。僕は親戚や友人が亡くなっても自分の中で
生き続けているその人達がいつも自分を見てくれているものだと思って
います。そのような気持ちを込めて作りました。

ただ、歌詞についてはベロニカさんは僕の曲作りの事情は知らないので
上記のような意味合いとは若干違ったものになっているようですがそれ
でも曲と通ずるところがあると感じます。それがこの曲をスピリチュアル
でありながらも地に足着いた感慨深さを与えてくれたのだと思います。

アルバムを通して聴いて頂けるとわかると思うのですがこの曲だけ少し
浮いている印象を持たれるかもしれません。僕自身もこの曲をスモール
ガーデンのアルバムに入れるかどうかはとても迷ったのですが、最終的に
は入れる判断をしたのは「スモールガーデン=小園=自分」という絶対的
な繋がりを無視する事は出来ないので、アルバムとしてのまとまりよりも
スモールガーデンの内側にも少し触れて欲しいと思いこの曲を入れる決断
をしました。

ちょっとだけ曲制作のお話をさせていただきます。
この曲では実際に演奏しているのはベースとサックスだけで他は打ち込み
です。一時期はギターもキーボードも沢山練習して上手く弾ける様になり
たいと思っていましたがあまり根を詰めすぎても不満が募るだけなので、
打ち込みの方が綺麗に聴こえるならそれで良しとするようになりました。
前に冨田ラボの冨田恵一さんも自身のDVDで似たような事を言っていて
「やっぱりそうなんだ」と思った経緯もありますが、やはり僕自身の積み
重ねてきたスキルが打ち込みか演奏のどちらが良いではなく音楽として、
楽曲として制作する上で制限された時間内に仕上げる事が優先されている
からだと思います。(しかし常に冨田さんの背中を見ている!)

 


お読み頂いてどうもありがとうございます。
次回は2ndミニアルバムの「out of music」のライナーを書きたいと
思います。




2017年

12月

03日

セルフライナーノーツ「歌曲作品集[小園]」M-5,M-6,etc

M-5 「靄」

もや、と読むようです。僕もこの曲名を思いつくまでは知らない漢字でし
たが見た目が霞(かすみ)とか霧(きり)に似てるのでよく間違われます。

この曲も作曲は2013年に行われていてしばらく寝かせていたものです。
1度メジャーコードから4度マイナーへ転調する雰囲気は僕は好きでよく
使っています。
この曲もデモがあるので良かったら聴いてみてください。
(歌が下手なのはご容赦くださいませ…)

https://soundcloud.com/smallgardenstudio-1/moya_demo

不遜ついでですが、この曲で表現したかった事がいくつかあるので紹介させ
てください。
•失恋を綺麗な想い出に。
•前半と後半での雰囲気の違い。
•メジャー音楽には無い渋さ。(これは全曲にあるかも…)
•時系列の表現。(夜から夜明けへ)

この曲のサビに当たる部分、後半の「悲しみが踊りだす~」という歌詞が
自分では気に入っていまして。心情としてはこの歌に出てくる人物の心中を
察する事(作者がこういうのもおかしいかもしれないが)が出来ます。
夜の海岸、地平線、星明かり、灯台。遠くの方に街灯り…、どれも僕の好き
なシチュエーションなのですが実際はこの楽曲のようにロマンチックな感じ
とは違う事が多いので(夜の海は怖い!)、綺麗な部分だけ紡いでみました。

この曲はアルバムの中では一番コーラスが多く、トラック数がトータルで40
から50位あったと思います。ミックスにとても時間がかかったのを思い出し
ました。ともあれ綺麗に仕上がったかなと思っています。

また懇意にして頂いております「ディスクブルーベリー」というレコード
ショップでは2枚のアルバムの同時購入で付いてくるCDRに全曲のカラオケ
が入っています。メロディを口ずさんだりオケに隠れた楽器などが聴けると
思いますのでご興味ある方は是非お手に取ってみてください。
(ちなみにどちらか1枚お持ちの場合はその旨をお店に伝えてもらえますと
もう1枚の購入のみでもCDRがもらえると思います。)
http://blue-very.com/


M-6 [間奏] その2
ピアノだけをぽろぽろと弾いた1分も無いものです。
実はこの曲はいくつか作曲した中の断片でして、のちに2枚目のアルバムの
「湖畔」という曲のイントロに使われる事になりました。元々は違う曲の
イントロになっていたのですがその曲では後半の展開が難しすぎてうまく
歌詞をつけられそうに無かったので分離させました。実は結構気がついて
いない人が多くて、それはそれで嬉しいような、そうでもないようなという
気持ちでしたが音楽雑誌VANDAのウチタカヒデさんにレビューして頂いた
時にはこの事がしっかりと記載されており脱帽いたしました。
スモールガーデン全編に渡ってとても鋭く、かつ多彩なバリエーションにて
論評を頂きました。是非お読み頂けましたら嬉しいです。

http://www.webvanda.com/2017/11/small-garden-out-of-music-singlesmall.html

そして、この曲のピアノもソフトウェア音源「Ivory2」を使いました。
マイクの感度や倍音、ペダルの解放音などをエディットしましたので
よりピアノの感じが出ていると思います。ただ鍵盤に当たる指の音までは
この音源では再現しづらく、後述する音源「Pianoteq」にその座を譲る
ことになります。


〜〜〜制作環境のご紹介〜〜〜
と銘打ちましてご紹介させて頂きます。前回のクロックジェネレーターは
いきなりマニアックでしたが今回はスピーカーと、中核を成すD.A.W.の
ご紹介です。

うちのモニタースピーカーは「SONY SMS-3」です。
今ではグーグルで検索してもほとんど情報が出てこないレアな機種です。
その昔、ヤマハのテンモニ(NS-10M)が流行り始めた後でソニーが
テンモニと同じ密閉型の2wayタイプのモニターを出したのがこのSMS-3
です。ネットで検索して頂くとわかりますがウーファーの黒色を除いて
ほとんど見た目が一緒です。(笑)
実際はテンモニに比べるとウーファーが大きく(20cm)、低域〜中低域
がよく聴こえ、かつ高音域は耳に痛くないのでまさに理想的なモニタリン
グが出来ます。密閉型の特徴としては低音が出過ぎずに中〜高音とのバラ
ンスが優れていると感じる所です。制作部屋は6畳弱なので若干大きめの
サイズではあるのですがやはり出音の良さには変えられずにもう10年以上
使っています。パッシブなのでアンプに繋いでいます。(アンプは安い
ノーブランドのデジタルアンプ)
恐ろしい事に20年前に買った30万円もしたラックスマンのL-507という
アンプよりも数年前買った2万円のデジタルアンプの方が音が遥かに良い
です。(飾らない音なので冷たい感じやしらけた部分もありますがモニタ
リングにはちょうど良いです。)
月並みですが技術の進歩は凄いです…。

D.A.W.はmotuの「Digital Performer 8」
デジタルパフォーマー(以下デジパフォ)は作曲を始めた頃からの付き
合いなのでもう20年近く使っています。使っている理由は昔からマック
が好きだった事、在籍していたセイムクリエイティブという制作会社で
の標準仕様になっていたということです。デジパフォを教えてくれた
先輩方々はなぜかみんなマウスを左手で使っています。理由は右手を
常にテンキーの上に置いているからです。これはMIDIのステップ打ち
や鍵盤を弾いた後でもエディット画面ですぐに数値を打ち変える事が
出来るからです。これには僕も最初は戸惑いましたがすぐに覚え、今で
もマウスは左手、テンキーを右手でバシバシはじいています。(なので
たまに左利きと間違えられることシバシバ…)

デジパフォは長年ハードウェアの操作に特化(依存?)していた感が
あるのでソフトウェア音源の参入に遅れた経緯がありましたが現在は
各社に横並んだ感じなので、昔からの視認性、操作性の良さを考える
とシーケンスソフトとしてはまだ頭1つは出ていると思っています。
音楽を奏でるという事よりも譜面やデータの視覚的認知度が高いと
いう所ではデジパフォが一番良いです。昨今の簡単に音楽を作ってみた
いというニーズには全く一致する所がない超硬派、素晴らしきクリエイ
ティブツールです。

2017年

11月

26日

セルフライナーノーツ「歌曲作品集[小園]」M-3,M-4,etc

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M-3 [間奏]

このインストの曲はアルバム制作の最後の最後に、まさに曲の間の
演奏として急ピッチで作りました。曲というよりはほとんどアドリブ
にちかい即興曲という感じです。
これはフレットレスのエレキベース、ピアノ(Ivory2)、ソプラノ
サックスだけですがルバート(テンポ無し)で僕が演奏、多重録音し
たものです。何から録ったのか忘れてしまったのですがたぶんピアノ
だったと思います。本来は3人同時に演奏、録音となりますが僕一人
なので最初のピアノ演奏時の呼吸をしっかりと覚えて、譜面(コード譜)
に記号を書き加えます。

ジャズっぽい感じになっているのは狙った訳ではなくて僕の場合は
勝手にそうなってしまうという感じです。なのでこのアルバムの中で
は一番自然な感じで作った曲(即興)です。
このようなライブ感のある曲はミックスからの作業が楽しくて、やは

り自身の音楽性を上げていく為にも楽しい要素をどんどん入れていき

たいなと思います。


————
M-4 [かわたれ]

この曲はM-1[木漏れ陽]とほとんど同じ時期に出来た曲だと思います。
他の曲と比べるとサビがわかりやすくキャッチーめなので甘い歌詞と
相まって人気があるとかないとか…。
この「かわたれ」というは昔の言葉でして「彼は誰」というように
漢字でも書かれます。漢字をみるとわかりますが彼は誰?あなたは誰
ですか?という意味です。大昔に「あなたは誰ですか?」と尋ねなけ
ればならない時間帯がありまして、それは夜中。夜中も夜中の明け方
に近い方です。昔は女性宅に男性が夜中に忍び込んで事に及んでいた
といいますがそんな中で女性がその男の顔がよく見えない状態で「
あなたは誰ですか?」と尋ねるような時間帯の事を「彼は誰時」なん
ていうそうです。ちなみにそのちょうど真裏の時間帯の夕方前あたり
をかの有名な「黄昏時」といいます。
詩を見聴きしていただけるとわかると思うのですがまさに夜明け前の
時間帯であるかのようなシチュエーションになっています。

作曲した時は確かギターだったと思います。最初からジャズっぽい曲
でしたしアルバムのバランスを考え、より静かにより大人っぽい雰囲
気をだしてみようとしました。ホーンアレンジは無くてもよいかなと
思ったのですが「入れる」という事を前提とした場合に自分がどこま
で出来るのかという事を示したかったという側面もありました。

ちなみにこの曲に関してはファーストバージョンが存在し、それは
最後の「Fill Up Your Life」の隠しトラックに入っています。約3分
間の無音部分の後にドラムレスの演奏で入っていますのでもし知らな
かったという方はチェックしてみてください。この歌はやはりAkane
さんの歌だと僕は思っています。野沢菜(山本ひかり)さんをフィッ
クスとしてフィーチャリングしたのはAkaneさんが遠方にお住みで、
おいそれとレコーディングが出来ないという環境があるからでした。

野沢菜さんのフィックスが良くないという事ではなく、CDに入って
いる「かわたれ」は正確に言えばスモールガーデンのセルフカバー
(音源発表は今作CDが初ですが)という事になるかもしれません。

楽曲のレコーディングについて、この曲で演奏しているのはサックス
とセンター位置のギターです。他はプログラミング(MIDI打ち込み)
です。僕の使っている「addictive drums」というドラム音源はブラ
シの音が良いのでよく使います。そしてトランペット、トロンボーン
は業界では有名な「Kick Ass Brass!」です。サンプリングされてい
るものなのでリアルなのですが古い音源なので64ビット化されておら
ず、今後使えなくなる可能性があり困っています。AMGさんには是非
対応を(僕も既にメールしていますが)お願いしたい所です。

兎にも角にも、かなりアコースティックな楽曲「かわたれ」なのです
が意外にも8割方がコンピューター音源だという事で、聴き比べなけ
れば生楽器との違いは少なくなってきていると思います。今後は空間
やアナログのシミュレーションもさらに進んでくるので一人でもさら
に良い音で作品が作れる様になってくると思います。

――

small garden studioの機材について(その1)

今回は、いきなりマニアックな電源とクロックジェネレーターについて。
上部にある写真の中段、CDプレイヤーの上にあるのが僕の制作部屋にあ
る「クロックジェネレーター兼分配機」です。これを使う事によってデジ
タル音声の分解能が上がります。このジェネレーターの心臓部はルビジウ
ム発振器で10Mhzの信号が出ており、それを内部で振幅を落として使用し
ています。
ディスプレイ表示の48.000khzや44.100khzなどは実際にはコンマ以下
8桁まで0が揃っています。大体の機器の内蔵の発振器では47.870khzや
44.183khzなど、規格と結構ズレている状態で動作しています。この
ズレを修正してくれるのが外部のクロックジェネレーターなのです。

これは写真に例えるとわかりやすいのですが、録音時の周波数がズレてい
るというのはカメラのピントが合っていないという事。再生時の周波数が
ズレているというのは眼鏡の度が合っていないという感じです。ピントの
合っていない写真を度数の合っていない眼鏡で見たら…もう何が写ってい
るのかわかりませんね。録音時に音のピントを合わせるというのはとても
重要な事です。(最近では4Kカメラなど細かすぎるのも嫌われている節
がありますけど。)それにしても、後に多少ぼやかしたりわざとはっきり
させない加工をする事もあるので素材である大元は出来る限りピントをば
っちり合わせなければなりません。

基本的にスタジオでは録音時、ミックスダウン、マスタリング時にこの機
材が活躍します。非常に高熱になる為、また内部のルビジウム発振器の延
命の為に常時使用する事はしていません。ここぞという時に使用している
訳ですが、スイッチを入れると不思議と音量が下がったような、音が痩せ
る?ような感じになります。おそらく音のフォーカスがピタっと合うから
だと思います。高級機で再生してもそのシステムに耐えうる音質にしたい
と思って数年前に買いましたが大正解でした。今後も活躍してもらいたい
と思います。

そして最後に電源です。
電源についてはよくある話なのですが、今の制作部屋を施工して頂いた
時に電源も独立して200Vのものを増設して部屋に引きました。
写真の右側に映っているアルミホイルで覆われた物体は200Vを117V、
115V、100Vに変換している電源安定化トランスです。家電とは全く切
り離されているので電源ノイズを気にせず作業する事が出来ます。

という感じです。
あとは良い作品を生み出すだけですね。(笑)
粛々とやって参りますのでどうぞよろしくお願いします。

お読み頂きましてどうもありがとうございます。
次回はM-5,6と合わせてD.A.W.やスピーカー周りを少しご紹介させて
頂きます。